7計早稲田日本語教育実践研究 第6号/2018/111―118112研究プロジェクト名研究代表者名研究メンバー設置主旨2017 年度活動計画2017 年度活動実績予算と決算漢字習熟度に応じた強化が必要な要素の解明―漢字診断テストを用いて―岩下智彦(日本語教育研究センター)沖本与子(日本語教育研究センター) 漢字の習得には形・音・意味の知識に加え,運用の仕方など様々な要素が関わっている。教師には各学習者の各要素の習熟度についての把握と適切な指導が求められるが,本センターの漢字科目群クラスは,同一クラスに多様な背景を持った学生が混在するため,判断に悩む場面がある。この問題を解決するため,本研究では,漢字レベルチェックテスト(以下,漢字テスト)の結果を分析し,レベル別・母語別に強化が必要な要素を抽出し,教師の指導法や熟達度テスト作成に向けた提案を行う。1.2017 年 4 月〜:漢字テストオンライン化のための問題作成2.2017 年 7 月〜:コースナビへのテスト設置3.2017 年 9 月〜 10 月:第一期パイロット調査(秋学期開講時)4.2018 年 1 月〜 2 月:第二期パイロット調査(秋学期終了時)5.2018 年 2 月:データ分析 昨年度までに収集した漢字テストの回答全て(初級:N = 381,中級:N = 327)に対して IRT を用いた分析を行い,テスト改善に寄与する情報を得るとともに,CJL 漢字科目を履修する学習者の漢字力をテストの結果から検証した。また,その結果を応用し,コースナビを用いたコンピューターベーステスト(以下,CBT)化のための準備作業を行った。予備調査として,秋学期開講時と終了時に CJL 総合日本語漢字 1□5 の履修予定者の中から調査協力者を募り,開講時 44 名,終了時19 名の回答を得た。調査協力者の履修レベルおよび解答結果をもとに,CBT の問題数の適正化,難易度調整などを行った。主たる結果について以下の研究発表を行った。【口頭発表】日本語教育学会 2017 年度春季大会(2017. 5. 21)【ポスター発表】早稲田日本語教育学会 2018 年春季大会(2018. 3 予定)費 目人件費消耗品費手数料・報酬雑費予 算140223 千円決 算26注 )2017 年 度 決 算 は2018 年 3 月末に確定する。50223 千円
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