K : ポーン先生は,生徒を静かにさせるんですよ。なんか怒ってくれるんですよ。怒ってくれるっていうと変なんですけど。 M: 言いますね。 K : そうそう,怒ります。それで,なんか,昔,私がやってる時も,マリ先生に,私,「かおり先生(筆者)もっと怒ってください」って私言われました。その時に私は,私が日本語で怒っても,あの子たちは,日本語がわかる子はいいかもしれないけど,日本語がわからない子には,何だろう,雑音にしか聞こえないじゃないですか,音がちゃんと,静かにしなさいとか,そういう風に,そういう認識されない。言葉がわからないから,だから,なんか,私が怒っても聞かないじゃないですか。 M: わからないから? K : そうそうそうそう。だから,なんか,私にしたら,例えばマリ先生やポーン先生が怒ってくれた方が嬉しい。嬉しいっていうか,って思うんですよ。 M: うんうん。 K : それはどう思いますか。 M: あのー,何ですか,frequency,frequency 知ってる? K : あ,その,怒る回数ってこと? しかし,マリ先生はポーン先生とは生徒を怒る頻度が違うと答えた。「わたし」の期待していたのとは違う回答である。そこで,「わたし」はさらに以下のように続ける。 K : それは,マリ先生にとって,マリ先生の,自分の仕事だと思いますか。 M: 怒る? K : うん。 M: 怒る仕事? K : 怒るっていうか,ま,それが,それだけじゃないですよ。それも,一つ,先生の仕事のひとつだと思いますか? M: それを迷惑しない,させたくないですね。みんな迷惑,になるから,絶対に言いますね。でも,そんなにしゃべっても静かにしゃべったら大丈夫と思って。まあ,それくらい。しょうがないと思って。 K : そうそう,それでも,そうじゃなくて,先生の……だから,何ていうの,その注意をすること?生徒を怒ることも,先生の仕事の一部だと思いますか。 M: の仕事? K : そうそう,仕事の一部? M: そうそう。 K : だと思いますか。 M: みんなに迷惑と,先生も教えられないでしょ。みんなにもあんまり夢中できないですから。絶対言います。81髙井かおり/実践改善のための振り返りを「せめぎあい」の場にするために
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