た99早稲田日本語教育実践研究 第5号/2017/57―73各項目の選択者数(35 人)121122191610211917自己上達感あり(18 人)なし(17 人)8 / 44% 4 / 24%7 / 39% 4 / 24%7 / 39% 2 / 12%13 / 72% 9 / 53%13 / 72% 6 / 35%10 / 56% 6 / 35%8 / 44% 2 / 12%7 / 39% 2 / 12%12 / 67% 9 / 53%11 / 61% 8 / 47%8 / 44% 9 / 53%68表 7 学習者アンケートの結果項目:アンケートの選択肢・新しいことばを知った・新しい文法がわかるようになった・クラス以外でも日本語で話せるようになった・話し合いが楽しかった・クラスメイトと仲良くなった・日本語で話すことに慣れた・グループのメンバー・この授業が楽しくなった・いろいろな考えを知った・自分で間違いが直せるようになっ・新しい考えが生まれた5-2.調査Ⅱの結果 調査Ⅱの結果を表 7 にまとめた。要 素技能面活動のプロセス 社会面学習者のメタ認知能力の育成 まず,学習者がピア・レスポンスの何を評価しているかについて述べる。表 7 の各項目の選択者数を見ると,35 人中半数以上の学習者が『よかった』とした項目は「社会面」の「話し合いが楽しかった」「クラスメイトと仲良くなった」の 2 項目である。また,「メタ認知」では「いろいろな考えを知った」「自分で間違いが直せるようになった」の 2 項目である。一方,相対的にあまり評価されていないのは「技能面」及び「社会面」の「グループのメンバー」「この授業が楽しくなった」であろう。 次に,学習者がピア・レスポンスを評価した要素と自己上達感の有無との関連を見る。アンケートの選択肢「新しいことばを知った」を見てみると,自己上達感を得た学習者は 18 人中 8 人(44%)が選択しているが,自己上達感を得ていない学習者は 17 人中 4 人(24%)しか選択していない。このようにすべての選択肢を見てみると,最後の「メタ認知」の「新しい考えが生まれた」という項目以外はすべて自己上達感を得た学習者のほうが明らかに多くの学習者が選択している。つまり,自己上達感を得た学習者とそうでない学習者には,その選択に相違があると考えられる。 そこで,自己上達感を得た学習者一人一人がピア・レスポンスのどの要素を評価していたかに焦点を当て図式化を試みた(図 2)。自己上達感を得た学習者は図 2 の★印で示した箇所にあたる要素を選択していた。
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