早稲田日本語教育実践研究 第5号
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123465789早稲田日本語教育実践研究 第5号/2017/39―56項目総合 4 総合 5 総合 6 全体6.642 6.239 5.970 5.761 5.343 4.866 4.403 3.910 3.701 3.045 集計する。 平均値 5.5 を「できる」と規定する基準は,本研究で使用した CDS の 7 件法での「5. 少しできる」と「6.だいたいできる」の中間であること,及び今回の調査と同じ 7 件法を用いて CDS の関連付けや分析を行った研究(島田他 2006,2009)に沿った基準であることの 2 点を理由としている。例として表 6 に「読む」の CDS を提示する。平均値が 5.5以上の「できる」項目となった CDS は,総合 4 では,レベル A1 から B1 にかけての 4 つの項目が該当していた。B2 のレベルには「できる」項目がなかったことから,全て「できる」A2 から一部「できる」B1 のレベルに相当すると考えられた。表 6 CJL 総合 4―6 と CEFR の評価レベルとの関連付け(例:「読む」)NO CEFR日本語の初級の教科書にある,ひらがなカタカナで書かれた短い文章を読んで理解できる。A1学校の掲示板や学校からのメールなどの短い簡単なお知らせを見て,休講や教室変更など,必要な情報を探し出すことができる。A2短い簡単なメールや SNS の文章を読んで内容を大まかに理解することができる。A2授業シラバスなどのある程度長い文章に目を通して,授業内容や評価方法など,授業を選ぶために必要な情報を探し出すことができる。B1話題が身近なものであれば,時には知らない単語の意味を文脈から推定し,文の意味を推論できる。B1話題になっている社会的な問題に関する簡単な新聞記事などを読んで,重要な情報を取り出すことができる。B1社会的な問題などに関する意見が書かれた記事を読んで,新たな情報や筆者の立場,主張とその論拠などを理解することができる。B2レポートや論文の執筆のために,いくつかの文献の長い複雑な文章に目を通して,参考資料としてじっくり読む価値があるかどうか,必要な情報を探し出すことができる。B2自分の専門分野の雑誌に掲載された論文を読んで,研究目的や方法,結果などを理解することができる。B2社会,専門,学問の分野で出会う可能性のある,学術的なある程度長い,複雑な文章を詳細な点まで理解できる。意見表明だけでなく,含意された意見や立場も含む詳細な点まで理解できる。10C16.852 6.893 6.768 6.556 6.750 6.450 6.537 6.679 6.305 6.185 6.571 6.066 5.667 5.893 5.556 5.556 6.036 5.338 5.537 5.964 5.099 5.000 5.500 4.609 4.611 5.179 4.305 4.222 4.893 3.808 48

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