p<.001,η2=.18), 書く:(F (2, 146)=13.3,p<.001,η2=.15), 聞く:(F (2, 146)=12.63,p<.001,η2=.15),話す:(F (2, 146)=10.36,p<.001,η2=.12)。特に効果量の観点からは,「読む」における差が大きく,「話す」における差が中程度であることが示された。4 技能全てにおいてレベルの差が見られたため,それぞれの技能別にレベルごとの差を検討するため,Tukey-Kramer 法による多重比較を行ったところ,ほぼ全ての技能において,レベルごとの有意な差が認められた。しかし,以下の 3 つの組み合わせにおいてのみ有意な差が見られなかった。「読む」の総合 5 と総合 6,「書く」の総合 4 と総合5,「話す」の総合 4 と総合 5(読むの総合 5 と総合 6:p=.19,書くの総合 4 と総合 5,: p=.10,「話す」の総合 4 と総合 5:p=. 40)(図 3 参照)。 また,4 技能別にみて「話す」の自己評価が低い点について,効果量の観点からも他の技能に比べ相対的にレベル間の差は小さく,また特に,総合 5 開始時点での「話す」の自己評価が総合 5 の他の 3 技能に比べて差が示されないという結果となった。こうした結果からは,「話す」の能力は,レベル間の差が相対的に小さいとも考えられる。 以上のように,技能別の差は見られたものの,本調査の結果から CJL の総合 46 を履修する学習者は,4 技能別に見ても,概ねレベルが上がるにつれ,自己評価が高くなっていることがわかった。3-3.CJL 総合日本語科目と CEFR との関連付け 次に,CJL の各レベルと CEFR のレベルとの対応を確認するため,各レベルの学習者が「できる」CDS 項目と CEFR のレベルとの対応を見た。分析方法は,以下の手順に沿って行った。1)CDS 全ての項目についてレベルごとの平均値を算出する。2)平均値が 5.5 以上になった項目を「できる」CDS と規定する。3)「できる」CDS の数を,レベルごとに4.5□□□□□□□□□□5.54567沖本与子・高橋雅子・伊藤奈津美・毛利貴美・岩下智彦/CJLにおける中級から上級前半学習者の自己評価 4.965.384.994.975.295.24.74.936.55.955.676.045.965.965.636.115.7□□□□□4□□□□□5□□□□□647図 3 CJL 総合 4―6 における CDS 技能別の平均値
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