総合 4(N=67)平均SD4.991.114.970.945.200.994.700.984.960.86表 5 技能別 CDS 平均値5.57 読む5.41 書く5.65 聞く5.11 話す総合 5(N=54)平均SD5.670.685.290.795.630.754.931.095.380.69平均SD0.80 0.83 0.76 0.94 総合 6(N=28)平均SD6.040.625.960.776.110.535.700.745.950.53早稲田日本語教育実践研究 第5号/2017/39―56 者ほど,高い自己評価をしているという結果が示された。また,標準偏差を見るとレベルが上がるほど値は小さくなっており,高いレベルのクラスにいる学習者ほど,レベル内の差が小さくなっているという結果が示された。表 4 CJL 総合 4-6 における CDS 技能別の基本統計量(N=149)読む書く聞く話す4 技能平均 次に,総合日本語のレベルの違いについて調査するため,CDS 平均値に差があるか否かについて一要因分散分析を用いて比較した。その結果,レベルによる主効果が認められた(F (2, 146)=17.75,p<.001,η2=.20)。効果の大きさを示す効果量の指標η2 は,.20であり,差は大きいことが示された。レベルごとの差を確認するため,Tukey-Kramer 法による多重比較を行ったところ,総合 4 と総合 5,総合 5 と総合 6 の各レベルにおいてレベルの上昇と共に平均値が有意に上昇していた(総合 4 <総合 5 <総合 6)2)。特に総合5 と総合 6 の平均値の差は,0.57 とより顕著であった。これらの結果から,学期開始時期の各レベルの学習者の自己評価は,レベルが上がるにつれて有意に高くなっているという結果が示された。 更に,CDS 平均値を 4 技能別に集計した結果,「読む」「聞く」という受容能力の自己評価が高く,「書く」「話す」といった産出能力の自己評価が低いという傾向が示された(表 5 参照)。特に,「話す」は平均値が 4 技能の中で最も低く,今回調査に協力した CJLの学習者は,4 技能の中では話すことに対する自己評価が最も低いことが明らかになった。さらに「話す」の標準偏差を見ると最も大きい値を示しており,他の技能と比較すると相対的に個人差が大きいという事実も示された。 上述のレベル別の平均値で行った検討と同様,技能別にレベル間での CDS 平均値に差があるか否かについて検討するため,レベルを要因とした一要因分散分析を行った。その結果,4 技能全てにおいてレベル間に有意な差が見られた(読む:(F (2, 146)=16.68,46
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