早稲田日本語教育実践研究 第5号
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□□□□□□□□□ABCDEFGH895901000000122112520000000000979□876543210多賀三江子/初級日本語クラスでの「個人化作文」における自己開示の深さの分析 □□□IV 0.00□□□III 1.5831□□□I 7.50□□□II 0.16 レベルⅢレベルⅣ15合 計作文数1222161921192213181422181699158Benjamini & Hochberg 法で多重比較した結果,レベルⅠが他のレベルよりも有意に多く(p<.01),次いでレベルⅢはⅡとⅣより有意に多く(p<.01),レベルⅡとⅣは有意差なし(p=.36)という結果が得られた。したがって,学習者全体の傾向として,本稿の自己開別の自己開示数を合計し,レベル間のスコア比を項目数比に対して,二項検定で検定し,示の現れ方は,レベルⅠが最も多く,次に,Ⅲ,Ⅱ,Ⅳと続くという結果であることがわかった。この結果は,丹羽・丸野(2010:204-205)の親しい友だちに対する自己開示と概ね一致する(丹羽・丸野(2010)ではレベルⅡとⅣの間に有意差が見られたが,本稿では,レベルⅡは,1 例しか見られなかったため,レベルⅣとの有意差は見られなかった)。また,武田・前田・徳岡・石田(2012)は,丹羽・丸野(2010)よりもさらに詳細に,3種類の友人に対する自己開示を分析したが,その中でいちばん親密度が高い親友に対する自己開示の深さの現れ方とも,一致した。この結果は,やはりこのクラスの中に「支持的風土」が醸成されていたためと考えられる。レベルⅠ合 計 以下に各レベルの作文を例に挙げながら考察を述べる。表 3 学習者の自己開示数レベルⅡ1013181183図 1 学習者全体の自己開示平均出現率

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