□□.早稲田短期日本語集中プログラムへの学生の派遣□□□ □□参加者の派遣についての主な工夫点としては、以下の □ 点が挙げられる。□□□□□□□ 派遣の工夫点□第三に、特に日本語教育の経験のない研修生には、学習者のレベルに合わせて授業を準備するということが困難だったため、こちらに来てから、実習内容から配布教材に至るまでかなりの支援を行なった。この点については、事前に行った広報資料の作成に関するやりとりが、対象とする学習者の日本語能力レベルの理解に役立ったように思われる。□□ 第四に、振り返りシートへの記入を義務付けることで、充実した見学になるよう図ったが、優れたレポート作成に重点が置かれてしまい、負担になってしまった研修生が出た。そこで、翌年からは、レポートは見学を補佐するためのものであり、あくまでも見学を通して気づきを得ることが重要であるという点を強調した。また、見学者の受け入れを負担に感じる教員もいたため、授業見学協力への見返りとして、提出されたレポートを渡すことにした。□第五に、模擬授業に参加する学生を募ることは容易ではなかったが、参加した学生からは非常に好評だった。まず、本プログラムでの学習者は、教員以外の日本語話者との接触が限られている上、年齢が近い日本語話者と接する機会は一層少ないため、それが新鮮だったようだ。また、研修生の中には留学生がいて、日本在住という立場や自らの留学経験を生かした実践を行ってもらえ、それも功を奏した。例えば、□□□□ 年(初年度)は中国人と韓国人が1名ずつ(他 □ 名は日本人)、□□□□ 年は中国人 □ 名(他 □ 名は日本人)、□□□□ 年は中国人 □ 名を受け入れたが、同じ母語を持った研修生が流暢な日本を話しているのを目の当たりにして、驚きを隠せない学生が多かった。特に日本語教師の大半が日本語母語話者であるというシンガポールの日本語学習環境に置かれている学生たちにとっては、日本語を実際に教える側に立つほどのレベルに到達している姿は、自分たちの目標となり、学習動機が強まったようである。また、「先生」という立場とは異なる大学院生の立場に共感し、彼女たちの研修がうまくいくように「協力したい」「応援したい」というような気持も持ったようだ。そのため、クラス以外でもキャンパスの案内をしたり、一緒に昼ご飯を食べたりする学生もいた。特に日本への留学を考えている学生にとっては、日本での留学に関する情報や意見を聞くよい機会となった。□第一に、前述したとおり、東北大震災の影響などから、日本へ短期留学を希望する学生を募ることは容易ではなかった。特に、他学よりも授業料が高めで受験料もかかることなどから金銭的負担も大きい上に、提出書類も極めて多いことから、応募途中で参加を辞退する学生も出てきた。そこで、宿泊代の全面的な補助や、プログラム前後に宿泊を無料で延長できるといった魅力をアピールすることにより、多数の参加を促した。□第二に、すでに実施されてきた他校の夏季プログラムとの競合を避けるため、このプログラムへは、日本語 □ レベルのうちの、日本語1と日本語2の修了生を優先して選抜することとした。□年度報告 213
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