早稲田日本語教育実践研究 第5号
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(2) デ・ラ・サール学生:立ちながら、寝られますか。(寝ることができますか) ますか、早く走れますか、文法が教えられますかなど可能形を使ってこれらの役の人を見つけるための文を作るように求めました。ただし、次のような状況付きでです。 早稲田の学生は、この文が理解できず、語彙に誤りがあると思いました。私どもの学生は、立ちながら眠っている警備員の写真を見せて、自分たちの答えを説明・弁護しなければなりませんでした。(よくある光景でないとしてもフィリピンでは実際にあることです) 両大学の学生が言語と文化を同時に学んでいることから、こうした状況はたいへん意義深く生産的であると私としては思っています。こうしたことは普通の授業で普通に起こることではありません。こうした小さな発見が、日本語の理解と使用に良い影響を持つはずです。 バディ・システムもまた、私どもの学生にとって、話すスキルの練習のためだけではなく、早稲田の学生の支援に責任を持つという点で、絶好の機会でした。 私は、交換プログラムで日本に行ったことがある学生をバディに選びました。交換留学生として日本に行った経験から外国人の必要をよりよく理解できると思ったからです。私は、交換プログラムに次回申し込む後輩を、彼らとペアにしました。このことは、今後の準備の上で私の助けにもなるからです。 バディからは、無意識のうちに自分たちの国を知り、自分たちの文化を再発見することになったと、非常に肯定的なフィードバックがありました。私は、これらのバディを後輩とともに、さまざまな活動のキーパーソンに任命しました。 たとえば、日帰り旅行では、主だったバディに早稲田の学生を連れて行くのに適した場所を探すという課題を与えました。彼らは調査して、実行可能な旅程を作る必要がありました。フィリピン文化を反映した、すること、食べるもの、フィリピンでしか経験できないことをです。設定はフィリピンですが、私どもの学生は祖国のことをよりよく知り、自分たちの文化を再発見することになったのです。というのは、彼らは調査し自分たちの提案を提出し、自分たちの間で議論し、みんなのためにどれが最善かを決める必要があったからです。私どもの学生のほとんどは、私たちが選んだ場所には実際まだ行ったことがなく、早稲田の学生とともに、これらの経験を、より意義深いものと感じました。また早稲田の学生に特定の場所や食べ物について尋ねられ答えられなかった時は特に、気付きの時となりました。私どもの学生は、祖国に関して、もっと準備ができたはずだ、もっと知らなければと感じたのです。 結果として、私どもの学生のコラボレーション・スキル向上にとても良い結果があったことにも気付きます。本学には学生が協同するさまざまな機会がありますが、今回のことは、学外でのプロジェクトで先輩と後輩が協同し、日本語を使いながら現実世界のタスクに取り組む大変珍しい機会でした。 バディ・システムは過去数年、大変成功でしたが、2017 年 2 月の次期に関しては、主だったバディを2、3人置くだけで、より多くのデ・ラ・サール大学の学生にさまざまな活動に関わらせようと計画しています。これは早稲田の学生と時間をあまり持てなかったバディでなかったほかの学生のフィードバックに対応してです。私どもの学生の中には、バディが早稲田の学生のスケジュールを決めたので、自分たちは休暇期間中、早稲田の学生と過ごす時間がほとんどなかったと、うらやみ、不平を言う者もありました。このまれな機会を、私どもの学生が早稲田の学生と交流する場として最大限に生かしたいと思います。 デモ授業に関して初め私は、日本語ネイティブに日本語の教え方についてアドバイスすることに居209年度報告

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