早稲田日本語教育実践研究 第5号
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□□早稲田日本語教育実践研究 第5号/2017/199―260 4.おわりに□ 202□□□□ 長期交換□過去5年間の長期に関する派遣実績を挙げると、日本語教育を専攻する大学院生を1名受け入れ、一方、本学からは早稲田大学に対して2名の日本語教育研究科大学院生を派遣している。本学の派遣学生は一学期も留学できるので、かなり具体的な成果も見られ、授業も長く受講できた。1人は単位トランスファーもした。リサーチインターンより評判もある。また、受け入れ学生同士のつながりもでき、早稲田大学の院生が来た時に助け合い、期待以上に教育の面で役立っている。□交換留学後、本学の大学院生□名が「文章論」や「漢字教育」などを専門分野に選択し、大学生たちには進路において大きく影響したという報告を受けた。留学中、早稲田大学の教員に自分と同じ専門分野の教員を紹介してもらったり、研究したいテーマを考える良い機会を与えられた。1人は修了論文を出し、卒業した。高等学校で教えながら、来学期大学で非常勤講師も頼まれた。もう一人は文章論関係の修士論文を書いている。留学した時に得られた経験は論文の成果に反映されることが大いに期待される。□この原稿を作成中は早稲田大学からの長期派遣の院生を実習生として受け入れてから約一か月しか経っていないが、学部の授業に□□として参加し、表記指導をしたり、宿題の採点などもしてくれている。本学の学部生からの質問などにも積極的に応えている姿は頼もしくもある。また、本人に関わるテーマの指名を受け発表もしている。実際に高校の教壇にも立つ機会も与えられた。ただし、本大学や本学部内での手続きの問題があり、特に受け入れの段階では骨折り事務的なこともあった。早稲田大学の院生からは本学の院生とかかわり、日本語教育について議論し合ったり、自らの研究に関する理解を深めたりしていることが一番大きいということと、実際に理論で学んだことや本学の院生との議論から実習に活かされることもあるという報告を受けている。□日本語教育を通じた人材交流、特に長期派遣の教育成果としては、本学のプログラム関係教員と学生を含む日本語学習者に新たな日本語学習過程という良い機会をもたらした。また、他の教育機関□私立聖ガブリエル高等学校□にエキスパートのインターンとして学習する場の良い参加者になっている。□(うぉらうっと・ちらそんばっと,□ チュラーロンコーン大学文学部東洋言語学科)□

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