【年度報告】―日本語教育を通じた重層的・循環的人材育成の実際とその教育効果― 早稲田大学 SEND プログラム総括シンポジウム記録 早稲田日本語教育実践研究 第 5 号 2012 年度より、早稲田大学日本語教育研究科と日本語教育研究センターは、文部科学省による外部資金事業「大学の世界力展開強化事業〜ASEAN 諸国等との大学間交流形成支援〜」のうち、SEND(=Student Exchange Nippon Discovery)プログラムとして採択された「『日本語教育学』総合学習プログラムを通じた重層的・循環的人材育成事業」を共同で実施してまいりました。この事業は、ASEAN の協定大学へ本学学生を短期・長期で派遣し、日本語教育のサポート・日本文化紹介・学生間交流を行うと同時に、ASEAN の各大学で日本語や日本語教育を学ぶ学生を日本に受け入れ、双方の学生を重層的・循環的に育成することを目的としています。 事業最終年度にあたる 2016 年 12 月 3 日(土)、本事業による 5 年間の教育成果を問う総括シンポジウムが、早稲田大学総合学術情報センター国際会議場にて開催されました。当日は、ご来賓や協定大学の先生がたから、卒業生や在校生まで、学内外のさまざまな参加者 92 名の方々と、本プログラムの歩みと成果について共有することができました。 □ そしてこの度、このシンポジウムで確認された SEND プログラムの教育成果を、広く社会に発信するべく、当日の配布資料を日本語教育研究センター発行の『日本語教育実践研究』誌上に、2016 年度のセンター年度報告として掲載する運びとなりました。 □ 今回のシンポジウムは、二つのパネルディスカッションにより構成されています。第 1部では「SEND プログラムは何をもたらしたのか」をテーマに、ASEAN の協定大学と早稲田大学の教員 4 名による意見交換が行われました。第 2 部では「SEND プログラムで学んだこと」をテーマに、協定大学の卒業生を含むプログラム参加学生 4 名を中心に、合計10 名による派遣体験を総括する発表が行われました。いずれも、極めて密度の濃い議論や情報発信がなされ、SEND プログラムを通じた人材育成の貴重な成果を世に問うひと時となりました。その際に登壇した教員・学生の執筆原稿をまとめたものが、本稿です。 □ この年度報告により、一人でも多くの方がたに SEND プログラムの意義とこれまでに果たした役割がご理解いただけたら幸いです。 早稲田大学日本語教育研究センター□鈴木伸子□199
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