早稲田日本語教育実践研究 第5号
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⑧〔日本語能力試験対策〕 日本語能力試験の対策を目的とした練習問題である。試験は 2010 年に改訂されたが,改訂後は出題基準が公開されていないため,旧試験の出題基準と『日本語能力試験公式問題集』などの出題傾向を分析し,N5,N4 レベルに相当する模擬問題を作成した。レベルと読み・書きの問題が分けられているため,学習を必要とする箇所にポイントを絞って練習することが可能である。 日本語能力試験の出題傾向を分析した結果,読み問題には,「学校」の読みとして「がっこう」「がっこ」「がこう」など長音,促音などの特殊音素の有無に関する問題や,音訓を入れ替えた問題などが多い。また,「あに・おとうと・あね・いもうと」のような概念が似ている語が選択肢に並んでいる問題もある。書き問題には,実際には存在しない字を混ぜて,正しい字形を問う問題や同音異字を混ぜた問題,送り仮名を問う問題などがある。以上のような傾向を踏まえて,試験の模擬問題を作成した。対策としては読み・書きの問題を特に取り上げたが,N4 レベル以上になると漢字を含む文章を理解する運用能力が求められる。その練習については⑥にあるような読解問題などで対応している。169岩崎陽子・古賀裕基/『ストーリーで覚える漢字300ワークブック』紹介図 14 産出の解答例(『ストーリーで覚える漢字 300 ワークブック』p.117)図 15 能力試験対策の読み問題例(『ストーリーで覚える漢字 300 ワークブック』p.134)図 16 能力試験対策の書き問題例(『ストーリーで覚える漢字 300 ワークブック』p.54)

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