早稲田日本語教育実践研究 第5号
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□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□人物は誰か」「何時に始めたか」「そばの食べ方を教えたのは誰か」などの問いがある。この日記をはじめ「ワークブック」全体を通して,トムを囲む登場人物の一年間の物語が読解問題として提示される。読み・書きの練習だけでなく,このように漢字を文脈の中で理解する運用力を高めることができる。⑦〔産出〕 質問に対する自分の答えを漢字を用いて書く問題である。自分が表現したいことを学習した漢字でどのように表現するかを考える力を伸ばすことを目的とした練習である(図13)。教室で本教材を使う場合は,産出された文や文章を他の学習者と共有したり,他者に質問した内容をまとめたりするなど〔受容〕や〔やりとり〕の練習も可能となる。なお,自習の場合は,自分が産出したものが他者によって検討される機会が少ないであろうことを配慮し,産出問題には解答例(図 14)を複数つけることで対応した。自分の文脈で漢字運用力を伸ばす本教材の特徴的な練習問題の一つである。早稲田日本語教育実践研究 第5号/2017/161―170 168図 12 読解の問題例の一部(『ストーリーで覚える漢字 300 ワークブック』p.84)図 13 産出の問題例(『ストーリーで覚える漢字 300 ワークブック』p.117)

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