早稲田日本語教育実践研究 第5号
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□ □□□□□□ □□□□□□□□□□□ □□ □□ □□ □□ □□ □□ □□ □□ □□ □□ □□□□□□□□□□□□□漢字を含む漢字語の意味を類推する練習も行う。漢字を個々に覚えるのではなく,概念でまとめることにより,記憶の促進や意味を類推する力の向上を目指す。 図 2 は,イラストを見て想起される概念を学習した漢字を用いて書くという問題である。漢字の読みを覚えていなくても概念と字形を一致させることができれば解くことができる。図 2 イラストによって想起される概念を漢字で書く問題例(『ストーリーで覚える漢字 300 ワークブック』p.80) 図 3 は学習した複数の漢字を「時」「動作」「家族」の概念で整理する問題の例である。他にも,数字,自然,顔,体,位置,曜日,動物などのグループに分ける練習がある。漢字の読み・書きいずれかができなくても問題を解くことができる。 図 4 は学習した漢字を含む漢字語を見て,意味を類推する問題の例である。「昼寝」のうち「昼」は既習で,「寝」は未習だが,選択肢の中から,昼と関係のある「to have a nap昼寝する」を選ぶことは可能である。未習漢字を含む漢字語であっても,語の意味を類推する力を伸ばすことが期待できる。164早稲田日本語教育実践研究 第5号/2017/161―170□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□□図 3 概念で漢字を整理する問題例(『ストーリーで覚える漢字 300 ワークブック』p.80)

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