人数N = 14466(45.8%)77(53.5%)84(58.3%)95(66.0%)46(31.9%)35(24.3%)1( 0.7%)156早稲田日本語教育実践研究 第5号/2017/151―160表 1 「ことばの使い方の問題」をして気づいたことアンケート質問項目a. 訳語を覚えただけだと,使い方を間違えやすいことb. 単語の意味は 1 つではないことc. 日本語の単語と訳語の意味は時々ずれがあることd. 単語を勉強するとき助詞に注意して勉強すべきことe. 単語を勉強するとき一緒に使う言葉に注意して勉強すべきこと 89(61.8%)f. 単語の勉強は思っていたより難しいことg. 単語の勉強は面白いこと h. その他4-3.クラスにおける使用のまとめ 問題を実施し,特に第 1 課において,間違いが多数であったことから,語彙リストを覚える学習方法が一般的であることが,改めて確認された。そして,上記の二つの例が示すように,この問題を用いた授業では,教師が適切に導くことにより,教師から教えられるのではなく,学生が自らカテゴリーを発見し理解していくことができることがわかった。5-1.調査方法 最終の第 10 課の指導後に,許諾の取れた学生 144 名に対し「ことばの使い方の問題」についてのアンケート 4)を行い,うち 9 名にはフォローアップインタビューも行った。5-2.結果5-2-1.問題による気付き 「ことばの使い方の問題」をして気づいたこと,わかったことを複数回答可として選択させた。結果は表 1の と お り で ある。数以上が選択している。これらの点は,各問題で中心的な狙いとしていた点であり,問題の意図が伝わりやすかったためだと思われる。四つの項目について半数以上が選択していること,1 項目も選ばなかった者はいなかったことから,この問題の狙いである気づきは,どの学生にもある程度あったものと思われる。ただし,インタビューで,この数には,元々知っていたけれどもよりよくわかったという場合も含まれていることが確認された。また,a の選択率が 50%以下と予想外に低かったのは,問題をする前から気づいていた者が多かったためではないかと推測される。5-2-2.各問題に対する評価 表 2 に各質問項目に対する点数の平均をまとめた。好意的評価項目である①③④⑤のいずれについても 4 以上の平均点であり,どの問題も好意的に受け入れられていたことがわかった。一方,②は各問題間で統計上有意差が認められ 5),問題 3,問題 1,問題 2 の順に難しいと感じられたことがわかった。5.学生アンケートにおける評価 c,d,e は 半
元のページ ../index.html#160