早稲田日本語教育実践研究 第5号
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 作成後は,評価の「ずれ」が見られた箇所を中心に担当教員の話し合いやレポート評価のすり合わせを通し,ルーブリックと「教員用マニュアル」を再度改訂した。再改訂版を用いて第 2 回のレポートを評価したところ,評価で迷いが生じる部分が少なくなった。このことにより,ルーブリックは使用しながら記述の精度を高め,改善していく必要があるだろう。 学期末に学習者へのアンケート調査とインタビュー調査,教員へのインタビュー調査を行った。今後は,これらの結果を分析し,「評価の公平性」「到達目標の提示」「学習者の自律的な取り組み」ができていたか,ルーブリックの有効性について検証していきたい。参考文献池田史子・畔津忠博(2012)「複数教員によるレポート評価のためのルーブリック形式の評価表導入に関する検証」『日本教育工学会論文誌』第 36 号,53-156.沖裕貴(2014)「大学におけるルーブリック評価導入の実際―公平で客観的かつ厳格な成績評価を目指して―」『立命館高等教育研究』第 14 号,1-90.ダネル・スティーブンス,アントニア・レビ(2014)佐藤浩章・井上敏憲・俣野秀典(訳)『大学教員のためのルーブリック入門』玉川大学出版部(さんどう ににこ,早稲田大学日本語教育研究センター)(たかはし まさこ,早稲田大学日本語教育研究センター)(いとう なつみ,早稲田大学日本語教育研究センター)(ふじもと ともみ,早稲田大学日本語教育研究センター)(やすだ れいこ,早稲田大学日本語教育研究センター)山同丹々子・高橋雅子・伊藤奈津美・藤本朋美・安田励子/ルーブリック作成と評価観点の「ずれ」の分析 129

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