9冨倉教子/「自由発表」とモチベーション表 1 アンケートの質問項目 3-8.アンケート調査 全員の発表終了後,学期末に「自由発表」についてのアンケートを配布し,それに回答してもらった。アンケートの作成と分析は,上記 Harper(2015) が行った ESL の書く活動についての研究及び調査,分析を参考にした。今回の調査では学習者全員の発表が終了した学期末,アンケート形式の書面に自由発表についての評価及びコメントを記入してもらった。アンケートにある 14 の質問についてそれぞれ「とても」「はい」「どちらともいえない」「いいえ」「ぜんぜん」を選択。そのうち 8 問は,選択した理由について詳細を記述する箇所を設けた。また 14 のうち 1 問は記述のみの質問項目である。さらにアンケートの最後に,自由発表全体の感想,意見を記述する箇所を設けた。アンケートを回収後,そこから自由発表活動の利点と欠点を中心に分析した。質問項目は以下のとおりである。なお,今回の調査で協力者に配布した紙面のアンケート(「全体アンケート」を含む-以下『513.(3)関係性の欲求』を参照)には,漢字にはルビ(「日本語」,「一番」,「前」など初歩的なもの以外),難しい語句には英語訳を施した。1.自由発表をして,発表をしやすくなった。2.自由発表をして,発表するのが好きになった。3.自由発表をして,日本語を話すのが上手になった。4.自由発表をして,日本語を話すのが好きになった。5.自由発表は日本語の勉強になった。6.自由発表は大変だった。7.自由発表をするのは楽しかった。8.クラスの人の自由発表を聞くのはよかった。9. 自由発表をして,クラスの人とほかの活動(ペアワークやグループワーク)がしやすくなった。10.自由発表をして,クラスの人のことをもっと知ることができた。/友達になれた。11.自由発表はほかの活動(読解,文法,作文,クイズなど)にもよい効果があった。12.自由発表をして,日本語が上達した。13.また自由発表をする場合,改善点,提案,要望などはありますか。(記述回答のみ)14.自由発表はよかったですか? 調査の結果以下のような回答を得た。4-1.総合的な評価 まず総合的に自由発表の効果/利点の有無を見た。14 の質問項目のうち一つは記述式の回答のため,13 の質問項目と調査に協力した学習者 15 名分の総回答数 195(13 × 15= 195)を 100%として算出した割合は以下のとおりである(表 2 参照)。「6.自由発表は大変だった。」に関しては質問の内容上ほかの 12 問と違いがある。よって「いいえ」「ぜんぜん」と回答した場合,協力者は大変と思わず活動を行ったということであり,それは単なる「苦痛でなかった」「簡単であった」という解釈から,「楽しかった」「やりがいが感4.結果
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