早稲田日本語教育実践研究 第5号
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構成早稲田日本語教育実践研究 第5号/2017/123―130  下位項目(14 項目)B(もう少し)□序論・本論・結論の構成を意識しているが,整っていない。□段落に分かれている が,1 段 落 に いくつかのトピックが入っており,まとまりがなく,段落間のつながりがおかしい。* □には該当箇所にレ点を入れる。 C(頑張りましょう)□序論・本論・結論の構成が見られない。□段落に分かれていない。124表 1 ルーブリックの構成①構成  ②段落③序論  ④本論  ⑤結論  ⑥展開・一貫性⑪引用の文量・情報量  ⑫引用元明示  ⑬参考文献欄  ⑭フォーマット表 2 ルーブリック(一部抜粋)A(良い)□序論・本論・結論の構成になっている。□ 段 落 に 分 か れ,1段落 1 トピックで書かれており,段落間のつながりが見られる。3-1.ルーブリックの作成 作成にあたっては先行研究の他,「総合日本語 6」で学習者に配布するレポート作成のために必要とされる要素が記載されている冊子『レポートを書くために』『レポートを書こう』に書かれているレポートの目標を参考にした。また,これまでに「総合日本語 6」でレポートの添削指導経験がある教員からの意見を基に,打ち合わせを重ね,ルーブリック評価表(資料 1 参照)を作成した。評価観点(1)構成(2)内容(3)表現の適切さ ⑦文体  ⑧語彙・文型・表現  ⑨文のつながり  ⑩表記(4)形式 表 1 は作成したルーブリックの評価観点の構成を示している。評価観点は,「(1)構成」「(2)内容」「(3)表現の適切さ」「(4)形式」の 4 つの項目とし,それぞれに 2 つないしは 4 つの下位項目を設けた。下位項目は全部で 14 項目である。A+(とても良い)□序論・本論・結論の 3 部構成になっており,それぞれの分量が適切である。(1)□適切な段落に分かれ,1 段落 1 トピックで書かれており,段落間のつながりが自然である。 表 2 は完成した基本的なルーブリック(資料 1 参照)の一部抜粋である。評価尺度は,最も高い評価を「A+(とても良い)」として,「A(良い)」「B(もう少し)」「C(頑張りましょう)」と 4 段階にした。「総合日本語 6」として現時点の遂行目標は「A」とし,「A+」は将来の到達目標とした。これは,現時点よりさらに上のレベルの目標を提示することにより,余裕のある学習者はそれを意識し,自律的に取り組めるよう配慮したからである。3.ルーブリックの作成と使用

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