舘岡洋子/ことばの学びの中継点として1.はじめにCJLは,早稲田大学における日本語教育を一元的に担い,日本語学習者のために毎週6502.CJLの教育活動の特徴CJLの第1の特徴としてあげられるのが多様性です。まず,科目群の多様性です。CJL日本語教育研究センター所長 舘岡洋子早稲田日本語教育実践研究 第4号 現在,早稲田大学は,5084名(2015年11月1日現在,以下同)の留学生を受け入れており,日本国内の大学としては最多人数となっています。そのうち2,157名が日本語教育研究センター(Center for Japanese Language;以下,CJL)で日本語科目を履修しています。コマの授業を開講し,190名のティーチングスタッフがそれを支えています。2014年度,早稲田大学は,文部科学省の「スーパーグローバル大学創成支援事業」において,世界ランキングトップ100を目指す力のある大学を支援する「スーパーグローバル大学創成支援トップ型」に採択されました。それを受けて大学の国際化はさらに加速しており,今後,留学生数増大の傾向が続くものと思われます。その中で,CJLの担う役割も大きくなっていると同時に変わってきているという背景をふまえて,現在のCJLの特徴をとらえ,さらに今後の課題を示したいと思います。冒頭に述べたように,大規模な展開をするCJLですが,プログラムの中身については本誌第2号および第3号に詳細な説明がありますので,重複を避け,ここではCJLの教育活動の特徴にしぼって述べることにします。現在のCJLの特徴として,2点―「多様性」と「主体性」―をあげ,これらに加えて,今後,今まで以上に「開放性」が重要になっていくことを述べたいと思います。2-1.CJLの「多様性」の科目は,一般的な日本語カリキュラムを体系的に整えた「総合科目群」と,特色ある独【センター最前線】3ことばの学びの中継点として― 多様性,主体性,開放性をもったCJLへ―
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