早稲田日本語教育実践研究 第4号/2016/45―54サインアップ式(希望者は,当日自分の名前を申し込み表に書き,アドバイザーとのセッションを確保する。マッチング・時間調整は運営補助者が行う方法)20分(昼休み)または30分枠自由5.学習支援者のふりかえり「ラーニング・コモンズ」の開催場所は,ETP日本語コンポーネントの授業が行われていた同じフロアに1室用意した。配置は図2の通りである。日本の大学におけるラーニング・コモンズの試みは始まったばかりである。山内(2011)は,学びの場を設計するのであれば,その学びの場の運営や学習支援のあり方についても課題を共有し,解決策を考えていくべきであると展望している。そこで次に「ラーニング・コモンズ」において,学習支援者であるアドバイザーと設計・コーディネーション担当者がどのようにこの学習支援空間で活動し,何を感じていたのか,ふりかえりをまとめて見ていきたい。アドバイザーは,日々の実施記録としてセッション終了後,実施記録への記入をしていた。また,アドバイザーと常勤インストラクターは,イントロダクトリー期終了時に「ふりかえりの会」として今までの「ラーニング・コモンズ」の活動をふりかえる機会を持った。また,インテンシブ終了時には,全体を通したふりかえりをまとめて記述した。本稿では,このアドバイザー3名と設計・コーディネーション担当者のふりかえり記述を元に学習支援者として経験した「ラーニング・コモンズ」をふりかえりまとめていく。空間,アドバイザーに質問したり,気軽に話ができる空間,情報を得たりアクセスできる空間等,その時々の研修員の学びのあり方に沿えるよう,机の配置と椅子の配置を考慮した。また,「ラーニング・コモンズ」内ではコーヒー等の飲みものも可とし,情報冊子・本・辞書等を置いて閲覧できるようにした。日本語知識習得の「勉強」に限らず広く学べる環境作りに気を配った。また,アドバイザーの机も固定せず,複数の研修員でも話ができるように配慮した。以上の考えから図2のような「ラーニング・コモンズ」を設計した。1人で学べる空間,何人かで学び合いができる48表1 「ラーニング・コモンズ」 研修員のアドバイザーとのアクセス方法学期イントロダクトリードロップイン式(開室時,好きな時間に研修員が立ち寄る方法。アドバイザーは2〜3名常駐。)アクセス方法設定時間図2 「ラーニング・コモンズ」配置図10)インテンシブ1・2予約式(事前に当日の時間・担当アドバイザー名が書かれた表に研修員が希望を書き込む方法)20分(昼休み)または30分枠インテンシブ3
元のページ ../index.html#52