3種 1種 a)専門語+名詞 早稲田日本語教育実践研究 第4号/2016/25―44 は中学の専門語。3つに分けた。b)名詞+専門語 c)専門語+専門語 a)とb)は専門語と一般語(名詞)から成り,c)は2語の専門語から成る専門連語である。a)とb)で計229種(67.0%)になり,c)は全体の3分の1弱だった。2語の専門語から成るc)は,名詞との専門連語では113種で全体の33.0%あるのに対し,動詞との専門連語では6.3%にとどまり,名詞との専門連語の難しさがうかがわれた。名詞との専門連語342種は,前の語に後接する助詞や助詞相当句によって次の10の型に分類され,①が318種で93.0%を占めた。①②③④⑥の「名詞」には,専門語が含まれた。①名詞+ノ+名詞 ②名詞+ニオケル+専門語 ③名詞+デ+専門語 ④専門語+ニ関スル+名詞 ⑤専門語+ニツイテノ+名詞 ⑥専門語+ニヨル+名詞 ⑦専門語+ガ+名詞 ⑧名詞+ニ+専門語 ⑨専門語+ニ関シテ+名詞 ⑩名詞+ニ対スル+専門語 名詞との専門連語342種に使用された一般語の名詞の延べ語数は,専門語のみの専門連語113種を除いた229種中の229語で,異なり語数は116語である。そのうち40語が1級語彙で,それらをとる専門連語は120種だった。それに専門語のみの専門連語のうち1級の専門語をとる45種を加えても165種(48.2%)だった。専門語と共起する名詞は,専門語の場合もあり,動詞との専門連語よりも難しかった。表6は116語のうち専門連語によく使用された名詞20語である。ここでいう名詞は,小宮(2006a)の「理工系留学生のための数学の専門語」にない語をさすが,「値」「方程式」など下線のある13語は,JSLカリキュラムの中学の数学用語に含まれる。下線のない語のうち「定義」「記号」「数列」は,『和英/英和算数・数学用語活用辞典』の索引にある。専門連語に使用された名詞の中には,中学の数学用語などがかなり含まれる。それらと構成される専門連語は,潜在的に2語の専門語から成る連語が多いといえよう。名詞との区間における関数,点における接線区間で連続,定義域で連続極限値に関する法則三角関数についての方程式媒介変数表示による曲線要素が有限個たがいに独立軸に関して対称値に対する微分係数34137種 (40.1%) 解の個数,三角関数の合成92種 (26.9%) 下側の領域,瞬間の速度113種 (33.0%) 放物線の頂点,関数の和318種(93.0%) 外接円の中心,関数の和,下側の領域6種 3種 2種 2種 2種 1種 1種 表6 専門連語によく使用された名詞値17,方程式10,数9,角8,計算6,個数6,公式6,曲線5,三角形5,式5,定義5,点5,記号4,総数4,任意4,鋭角3,交点3,差3,数列3,積3
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