早稲田日本語教育実践研究 第4号
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早稲田日本語教育実践研究 第4号/2016/25―444.調査資料は専門概念を表さないことが明らかなものを除いた。また,小宮(2003)では,「専門語+動詞」が246種あったのに対し「動詞+専門語」は6種のみだったため,本研究では,大量調査の効率化を優先して後者の型の連語を除外した。その後,高校数学教科書で多用される専門連語を選定するため,同一科目の複数教科書本文で使用されている連語を取り出した。手順3.手順2で得た「専門語の連語」のうち動詞や形容詞と係り受け関係にある連語は,動詞や形容詞を辞書形にし,動詞に受身・使役・可能などの助動詞が後接する場合は除いた。その後,名詞との連語も含めて全体を異なりでまとめ,専門連語候補とした。手順4.数学の専門家3名に専門語・専門連語候補・判定・コメントから成るファイルをEメールで送り,その連語が専門概念を表すか否かを直感的に判断してもらった。判定は,その連語が専門概念を表す場合は○,その連語が専門概念を表すか否か判断に迷ったり自信がもてない場合は△,その連語が専門概念を表すとはいえない場合は×の3段階とし,判定者に判定を表す記号を入力してもらった。手順5.判定者3名の判定結果をまとめ,3名が一致して専門連語と判定した専門連語候補を「理工系留学生のための数学の専門連語」とした。数学の専門連語の判定者は,いずれも数学分野の大学院博士後期課程在学中かそれ以上の学歴の方々である。専門連語の選定資料には,2002年度に使用された,高校「数学Ⅰ」「数学Ⅱ」「数学Ⅲ」の全教科書計72冊の本文を用いた。内訳は「数学Ⅰ」「同Ⅱ」各26冊,「数学Ⅲ」20冊である。次に資料として使用した教科書の出版社名と番号を挙げる。<「数学Ⅰ」26冊>実教出版504,学校図書506,啓林館510,東京書籍622,東京書籍623,実教出版624,実教出版625,実教出版626,三省堂627,啓林館628,啓林館629,啓林館630,数研出版631,数研出版632,数研出版633,文英堂634,文英堂635,池田書店637,旺文社638,旺文社639,第一学習社640,第一学習社641,第一学習社642,知研出版643,桐原書店644,桐原書店645<「数学Ⅱ」26冊>実教出版550,学校図書552,啓林館556,池田書店561,東京書籍669,東京書籍670,実教出版671,実教出版672,実教出版673,三省堂674,啓林館675,啓林館676,啓林館677,数研出版678,数研出版679,数研出版680,文英堂681,文英堂682,旺文社684,旺文社685,第一学習社686,第一学習社687,第一学習社688,知研出版689,桐原書店690,桐原書店691<「数学Ⅲ」20冊>実教出版598,池田書店607,東京書籍716,東京書籍717,実教出版718,実教出版719,三省堂720,啓林館721,啓林館722,数研出版723,数研出版724,数研出版725,文英堂726,文英堂727,旺文社729,第一学習社730,第一学習社731,知研出版732,桐原書店733,桐原書店73430

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