早稲田日本語教育実践研究 第4号
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第3版)』であり,4レベルでは1〜5課,5レベルでは6〜10課を扱った。なお,漢字字4」「漢字5」のクラスは中級・上級に位置する。履修者は各クラスとも18名前後であり,早稲田日本語教育実践研究 第4号/2016/7―232-5.先行研究と本実践の概念の相関図能する。そこでの振り返りを記録する媒体としてポートフォリオを用いる。それに教師がコメントや問いかけが加え外的フィードバックとして与えることを表した。3-1.実践の対象者と流れ本研究の対象は,2015年度早稲田大学春学期「漢字4」「漢字5」(うち4レベルが2クラス,5レベルが1クラス)である。漢字のクラスは5つのレベルに分かれており,「漢今回はそのうち43名に調査協力を得た。これらの学習者の言語的背景は漢字圏19名(韓国,シンガポール,台湾,中国),非漢字圏24名(アメリカ,イギリス,イタリア,オーストラリア,カナダ,スウェーデン,スペイン,タイ,チェコ,ドイツ,ノルウェー,フランス,ベトナム,ルーマニア)である。使用教材は『Intermediate Kanji Book(改訂版テストは,この教材の課ごとの新出漢字・基本問題・応用問題に基づいて10問程度出題された。毎回授業開始時に小テストを行い,さらに本研究の対象クラスではこれに合わせて前回の内容を反映させた復習クイズを課した。また小テストに加え,学期中に2回,中間試験と期末試験を行った。授業最終日に学習者に対し,「セルフ・フィードバック」の活動の評価を問うアンケートを行った。アンケートの結果は教師が今後の授業を計画する上で参考とするものであり,学習者の成績評価には影響を及ぼさない旨を口頭で伝えた。また,アンケートに加え,協力の同意を得た10名の学習者に対し,アンケート内容の詳細を聞くことを目的としたインタビューを行った。インタビューを行った学習者は4レベルが6名,5レベルが4名,うち漢字圏が4名,非漢字圏が6名である。3.実践おいて述べた先行研究と本実践の概念の相関図である。「セルフ・フィードバック」には学習者自身によって自己分析が行われる内的フィードバックと,教師によって行われる外的フィードバックがある。学習者が内的フィードバックで得た結果をもとに,自己の学習に対する振り返りや問い直しとして自己モニターが機12左図は,2□2から2□4に図2 概念の相関図

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