早稲田日本語教育実践研究 第3号
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早稲田日本語教育実践研究 第3号/2015/3―7春夏秋冬44月5月6月7月8月9月10月11月12月1月2月3月春学期(15W)短期入門図1 日本語教育研究センター(CJL)の常設プログラム秋学期(15W)入門Japan)とSEND(Student Exchange-Nippon Discovery)が動いている。各プログラムのETP http://www.euetp.eu/  SEND http://send-waseda.jp/3.CJLの日本語科目−「安定性」と「先進性」の具現化を目指して−は3週間といった短期間で集中して学ぶものです。夏季や冬季等の休暇期間に来日して受講できるように,海外の大学暦との違いに配慮して春・夏・秋・冬と年間4コース開講しています。既に本学に在籍している留学生も,もちろん受講できます。また,本学では英語で教育を行うコースを拡充していますが,これに即して4月および9月の学期初めには日本語未習者対象に「入門日本語」クラスを開講しています。このクラスでは,平仮名,片仮名,及び日本での生活に必要なサバイバル日本語が学習できます。このようなプログラム展開を行っているのは,ひとえに日本語学習の目的やレベルが多様化している現状に対応するためです。国際化の推進は,留学生の「数」の増加だけではなく「内実」の多様化をもたらします。例えば,先述の英語で教育を行うコースができるまでは,日本語を全く学習しないで来日し,学部や大学院で学習や研究を進めるケースはそれほど多くありませんでした。また,日本語への興味関心のあり方も様々になり,日本語学習そのものが目的にならない場合もあります。「日本を体験してみたい,でも,1年は長すぎる」といったような学習者であれば,短期プログラムでの学習が適しているでしょう。多様な学習者に対して,それぞれに合った対応ができるように,プログラムを設置しているということです。量と質の両面で加速する留学生の受け入れにどのように対応するかは,CJLが全学的な機関となってから現在まで,継続的な,そして喫緊の課題として存在します。受け入れ時期や期間にバリエーションを持たせながらも,常設プログラムを安定的に設置し運営することが,この課題に対応するひとつの方途となるといえるでしょう。JLP*常設プログラム以外では,2015年現在,ETP(EU Executive Training Program in 詳細はHPを参照のこと。次に,プログラムの内容である日本語科目を見てみます。CLJの提供する日本語科目は,「総合科目群」と「テーマ科目群」の2つのカテゴリーに分類されます。これは2014年度に向けて,「安定性」「先進性」の具現化を目指して実施したカリキュラム整備の結果とい

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