3池上摩希子/「全学的な」日本語教育を目指して1.はじめに―2014年度を踏まえて―「Waseda Vision 150」で目指されている大学の国際化を軸に,学内の日本語教育を一元的2.CJLの日本語プログラム ―常設プログラムとしての運営―CJLの提供する「日本語教育プログラム(Japanese Language Program,以下「JLP」)」は,日本語教育研究センター所長 池上摩希子早稲田日本語教育実践研究 第3号 2014年度春学期,早稲田大学には4,766名の外国人留学生が在籍し,そのうち約半数が日本語教育研究センター(Center for Japanese Language,以下「CJL」)で日本語を学びました。本学は国内で最大規模の留学生の受け入れを続けており,そうしたなか,CJLはに担っています。1988年に語学教育研究所(当時)から日本語教育部門が独立する形でCJLの前身がスタートし,2009年には国際学術院に位置付けられました。その後,2011年から学術院組織を離れて,新たに全学的な研究教育機関となり,今年で5年目を迎えます。本稿では,2014年度に向けて行われたカリキュラム整備の結果を踏まえ,2015年度にCJLが提供する日本語プログラムとその内容を紹介します。2014年度に向けて目指したことと,その結果,達成できたことをどのように継続的に実施するか,また,課題にどのように対処していけばよいか,CJLの役割と使命を記したいと思います。半年もしくは1年を履修期間とし,下の図で示したように,大学暦に沿った春学期と秋学期各15週間,授業を開講しています。2014年度秋学期には履修者数も2,101名を数えました。JLPを履修する外国人留学生の内訳を見ると,本学の学部や大学院に所属する正規生,科目等履修生,そして,本属をCJLとする国費生や私費生,また交換留学の学生となります。実質,JLPはCJLの根幹を成すプログラムと言ってよいでしょう。常設のプログラムとしては,もうひとつ,「短期日本語集中プログラム」があります。これは2012年度に開講したプログラムで,JLPでは15週で実施する内容を6週間あるい【センター最前線】「全学的な」日本語教育を目指して
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