57研究報告研究会名「移動する子ども」研究会研究代表者名川上郁雄(日本語教育研究科)研究メンバー「移動する子ども」)を対象にした日本語教育を主テーマとしつつ,同じ境遇で成長した大学生,大人の日本語教育のあり方を問う研究会である。特に,早稲田大学では国際教養学部を始め,日本語センターの留学生の中にも,幼少期より複数言語に触れながら成長した学生が多数,日本語を学んでいる。また,地域を含む,日本国内外の学校教育現場においても,同様の背景をもつ年少者日本語学習者が多数存在する。したがって,これらの日本語学習者に対する日本語教育の方法論とともにあり方を考えることは,喫緊の課題であるとともに,これまでの日本語教育のあり方を問うことにもつながると考える。設置主旨2014年度活動計画2014年度活動実績池上摩希子(日本語教育研究科),太田裕子(グローバル・エデュケーション・センター),中野千野(日本語教育研究科),青木優子(日本語教育研究科)この研究会は,国内外で幼少期より複数言語環境で成長する子ども(以下,本研究会は,早稲田こども日本語研究会と共同で研究活動を展開する。本学に在籍する,幼少期より複数言語環境で成長した日本語学習者が日本語学習をどのように考えているか,複数言語能力をどのように意識しているのか等を探求することを通じて,年少者日本語教育および大学における日本語教育のあり方を検討する。同時に,幼少期より複数言語環境で成長した日本語学習者に関する調査研究を行っている専門家を招聘し,研究会を行う。またウェブジャーナルの編集,刊行を行い,研究成果を公表する。今年度は,幼少期より複数言語環境で成長した学部学生へ,複言語使用の経験への意味づけについてインタビュー調査を行った。また,この研究領域の海外の専門家や複数言語環境で成長した学外者を招聘し,講演会を行った。それらをもとに研究成果を考察し,複数言語環境で成長した学生への授業実践を振り返り,論考にまとめた。また,ウェブジャーナルの編集,刊行を行い,研究成果を公表した。
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