早稲田日本語教育実践研究 第3号
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Busch, B. (2012). The Linguistic Repertoire Revisited, Applied Linguistics, 33/5, 503-523, Oxford University Press.Yoshimitsu, K. (2013). Japanese-Background Students in the Post-Secondary Japanese Classroom in Australia: What Norms are Operating on their Management Behaviour? 早稲田日本語教育実践研究 第3号/2015/33―42(かわかみ いくお,早稲田大学国際学術院)42と意識を築いていき,最後は,ライフストーリーを書くという課題を通じて,自らのことばとは何か,人間にとってことばとは何かという問いに取り組んでいく。そのようなクラスダイナミズムがある点が,本実践の特徴といえよう。このような授業実践は,日本語教育だけではなく,広く言語教育における複言語教育の可能性と意義を考えるうえで,あるヒントを示しているのではないだろうか。さらに実践を重ね,これらのテーマを深く追究していきたい。付記本稿は,2014年7月にシドニーで行われた日本語教育国際大会で口頭発表した内容をもとにまとめられた。また,早稲田大学日本語教育研究センターの研究プロジェクト「「移動する子ども」として成長した大学生に対する日本語教育研究」(代表:川上郁雄)の成果の一部でもある。参考文献川上郁雄編(2010)『私も「移動する子ども」だった―異なる言語の間で育った子どもたちのライフストーリー』くろしお出版.川上郁雄・尾関史・太田裕子(2011)「「移動する子どもたち」は大学で日本語をどのように学んでいるのか―複数言語環境で成長した留学生・大学生の日本語ライフストーリーをもとに」『早稲田教育評論』第25巻,第1号,57-69.脊尾泰子(2014)「多言語・多文化社会の継承語学習とアイデンティティ(再)構築」『2014年度日本語教育学会春季大会予稿集』285-290.西山教行(2010)「序 複言語・複文化主義の受容と展望」細川英雄・西山教行編『複言語・複文化主義とは何か―ヨーロッパにおける理念・状況から日本における受容・文脈化へ―』くろしお出版.v-ix.姫田麻利子(2012)「複言語・複文化経験とアイデンティティ」『語学教育研究論叢』第29号,243-264.Electronic Journal of Foreign Language Teaching Vol. 10, No. 2, 137-153.

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