注 32早稲田日本語教育実践研究 第3号/2015/25―326.おわりに(3)「読む活動」の位置づけと目的の明確化「読む活動」については,その位置づけと目的を明確に示すことができず,ねらいが十分に達成できなかった反省を踏まえ,2014年秋学期では,授業担当者に事前の説明会で位置づけや読み物の書き下ろしの意図について説明し,その扱い方について具体的に提案した。「読む活動」という名の通り,学習者の考えや意見などが表明でき,交換できるような教室活動につなげることができるとなおよいと考える。本稿では,まず,CJLの開講科目の一つである総合日本語3について,初中級日本語クラスの位置づけを示し,2014年春学期に向けて行ったコースデザインの内容を述べた。そして,1学期間の実践を通して具体的に見えてきた改善点については2014年秋学期に反映させていくこととした。「レベル間の段差」が一つの大きな課題であったが,教科書改訂を中心としたコースデザインの中で,解決に向け少しずつ前進していると考えている。今後も,初中級というレベルの意義も念頭に置きながら前後のレベルとのつながりを調整していきたい。また,総合日本語2,総合日本語4のみならず総合日本語1から6全体,ひいてはCJLの他科目全体の中で総合日本語3の位置づけを捉える広い視野を持ち,引き続き授業内容を学習者にとって意味あるものに発展させていきたいと考える。1) http://www.waseda.jp/cjl/dat/overview/02_gaiyou.pdf2) CJLにおけるインストラクターには,インストラクター(非常勤)とインストラクター(任期付)がある。3) http://www.waseda.jp/cjl/dat/overview/01_shushi.pdf4) http://www.waseda.jp/cjl/dat/overview/04_themekamoku.pdf5) 一例として,第3課は「デスクトップ型パソコン」と「ラップトップ型パソコン」の特徴について説明された文章が本文となっている。しかし,現在日本では「ラップトップ型パソコン」という語はほとんど使用されていないという現状にある。(とくま はるみ,早稲田大学日本語教育研究センター)(たがわ ゆきのり,早稲田大学日本語教育研究センター)(ふくいけ あきみ,国際交流基金日本語試験センター)
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