25徳間晴美・田川恭識・福池秋水/初中級日本語クラスのコースデザインキーワード:初中級レベル,総合日本語,コースデザイン,段差の解消1.はじめにCJL)の開講科目である「総合科目群」の中の初中級日本語クラスのコースデザインにつ2.あらたなコースデザインを行うに至った経緯CJLでは,早稲田大学の日本語プログラム生,学部正規生,大学院正規生,科目等履修徳間 晴美・田川 恭識・福池 秋水早稲田日本語教育実践研究 第3号 本報告では,早稲田大学日本語教育研究センター(Center for Japanese Language:以下,いて述べる。このコースデザインは,従来指摘されていた初級から中級へのレベル間の段差を緩和するため,筆者らを含む検討グループを中心に行われたものである。本報告では主に教科書の選定や読解能力を補うための教材作成等,検討を重ねた過程を振り返る。また,1学期間の実践の結果を踏まえ,あらたに見えた問題点と,それらに対する改善案を提示する。2―1.CJLにおける「総合科目群」の位置づけ生などを対象として日本語科目を開講している。日本語科目は「総合科目群」,「テーマ科目群」からなり,科目による設定レベルの違いはあるが,初級(1レベル)から上級(8レベル)までの8段階のレベルが設定されている。本報告で取り上げるのは,総合科目群のうち,「総合日本語3」のコースデザインである。総合日本語3の「3」は,CJLのレベル基準における3レベル(初中級)であることを表す数字である。また総合日本語とは,総合科目群の中に設けられた科目名であり,次のような特徴を持つ 1)。①1学期15週で授業が行われる②主教材が決められており,主教材を中心に4技能を学ぶ③同じ曜日,時限に特定のレベルの授業が複数クラス開講される ④各レベルで定められたシラバス・スケジュールに従って運営される⑤インストラクターがティームティーチングで一つのクラスを担当する 2)CJLでは2013年秋学期時点で1819名の日本語科目履修者がいたが 3),今後も増加していくことが予想される。このような中で,総合日本語は上記の特徴により,学習者数の増減にも柔軟に対応できる体制を備えていると言える。【ショート・ノート】初中級日本語クラスのコースデザイン―初級から中級へのスムーズな移行を目指して―
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