田所希佳子/「会話者意識」を用いた意識化促進のためのコミュニケーション教育⑥ ⑤について話し合う。話し合いは以下のように行われた。5.分析と考察<第1回授業 ⑥話し合いの一部>(図1の「会話者意識」について)教師:やっぱ,ですます体のほうがきれいな感じがしますか?パブロ:しないです。洪:めんどくさいっていうか。パブロ:なんか,そう,めんどくさい。距離感が遠くなる。洪:話す言葉もだんだん増えていくから。疲れて。パブロ:ストレス溜まる。洪:溜まりますね。教師:じゃあきれいじゃないんだ。会話2についても,②〜⑥を同様に行った。⑦ワークシートに考えたこと,気づいたこと,新しく学んだことなどをまとめとして書く。以上の①から⑦までを図で表すと以下の図2のようになる。以上のような手順で授業実践を行った。4―4.データの分析方法学習者の学びの分析には,授業の約1か月後に約30分間の半構造化インタビューを行い,文字化したデータを用いた。2.で述べたように,本授業実践は,教室外での意識化促進を目的としていたため,教室外の日常生活において意識化が促進されたかどうかを分析する必要がある。インタビュー内容は,授業を受けた後,日常生活において,スピーチレベルに関して気になったことや考えたことである。各学習者が日常生活において意識化が促進されたことが分かる発言,本授業実践に関して示唆を得られる発言を抽出し,要約した。学習者8名はそれぞれ,日常生活において学びを得ていた。紙面の都合上,本稿では張,図2 授業の流れ71
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