早稲田日本語教育実践研究 第2号
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が22名いたのに対し,やってみて「大変だった」と回答したのは8名と,半数以下になっ早稲田日本語教育実践研究 第2号/2014/45―64【図6】活動全体についての前後の印象(単位:人)無駄だった」としたものもあった。スクリーンに投影して書き込みを共有したクラスが多かったが,「(印刷物ではなく)スクリーンで十分」というコメントや「スクリーンに投影された書き込みを読むのが難しかった」というものもあり,同じ方法であっても学習者によって受け止め方が異なっていたことがわかった。4―2―6 活動全体についての前後の印象「日本語かきこ」活動について,教師から概要と進め方の説明を受けた時の印象と,実際に行ってどうだったかについての回答である(複数選択式回答,図6)。開始時のガイダンスにおいて,各クラスで共通の英文の活動説明プリントを配付して説明している。しかし,説明方法は,口頭のみであったり,パソコンとスクリーンを使って入力して見せたり,あるいは実際に書き込んで投稿する練習を行うなど,クラスによって様々であった。また,実際の進め方やFB方法もクラスによって異なるため,一概にこの印象を評価することはできない。しかし,注目したいのは,開始前は「大変そうだ」と思っていた学習者ていることである。また,「日本語のいい勉強になりそうだ」という期待を持った学習者が60名いたが,やってみた実感として,「いい勉強になった」という回答は71名にのぼった。これについては,「少し難しそうだが,復習と日本語のスキルを伸ばすためになると思った」という記述回答も寄せられている。4―2―7 活動全体についての評価「日本語かきこ」活動全体を通して,自分自身について5段階で評価した結果が,表2,図7である。いずれも,「そう思う」と「ややそう思う」を合わせると8割程度の高い評価であった。図表にある項目以外に,その他としての自由記述でも多くの回答が寄せられた。そこでは新しい文法,語彙や表現,日本語入力の仕方といったものの他に,教師の実践意図の有無に関わらず「日本語かきこ」活動全体を通して学んだことについて記されている。56

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