1.書き込みの頻度(選択式)3.日本語入力時の困難点(記述式)8.活動全体についての提案や意見(記述式)齋藤智美・渡部みなほ・田所直子・川名恭子・田中敦子/総合的言語活動としての「日本語かきこ」4.アンケート調査の方法および結果が判断していた。その主な理由として,全てを取り上げるのは時間がかかりすぎるということや,訂正が多くなると学習者の書く意欲を削いでしまう可能性があるということがあげられる。正しい日本語の追求がこの活動の本意ではないことから,FBは内容に焦点を当て,誤用は全く指摘・訂正しないというクラスもあった。内容の確認は,教師やクラスメートが質問をし,書き込んだ学習者がそれに答えるというやりとりが一般的であったが,トピックや書かれた内容によっては質問が相次ぎ,クラス全体で意見を交換し合うディスカッションに発展することもあった。そのような流れになると,普段発話が少ない学習者にとっても発言しやすい雰囲気になるため,予定された時間を延長してディスカッションを続けたというクラスが多かった。ただ,週によっては十分な時間が確保できず,書き込んだ学習者と教師だけの短いやりとりで終わったり,全員の分を取り上げられなかったりすることもあった。学習者の要望から,1日ですべての書き込みをFBできなかった場合,2日にわたって行うようにスケジュールを調整したクラスもあった。本章では,学習者を対象とした振り返りアンケートの調査方法について述べ,その結果を分析する。4―1 アンケート調査の方法「日本語かきこ」に関するアンケート調査はコース終了時に行った。対象者は,この活動に参加した全12クラスに在籍する109名の学習者であり,全員が同じ内容のアンケート調査紙に無記名で回答した。このアンケートの目的は,学習者の実際の取り組みと活動に関する評価や感想,意見等を把握し,今後の活動に生かすことである。アンケートは日本語および英語で表記してあり,両言語で回答できる形式となっている。質問事項は全部で11項目あり,回答方法には選択式と自由記述式がある。設問内容の概要は以下のとおりである。2.書き込みにかけた時間(選択式)4.書き込み時の留意点(記述式)5.FBについての評価(記述式)6.活動全体についての前後の印象(複数選択式)7.活動全体についての評価(選択式・記述式)4―2 アンケート結果本節では,アンケートの結果について述べる。なお,自由記述質問における英文での回51
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