多賀三江子・林 麗/「個人化作文」における自己開示の分析No.5では故郷を「好きじゃない」と否定的表現をしている。これはA&T(1973)の(1)ずに,弱点に近いネガティブなことを書いていることから,自己開示は深いと考えられる。また,「そのときは,毎日ともだちと一緒にむしがころしました。(中略)でもころしませんね」では,A&T(1973)の(3)(4)(5),松島(2004)(8)に該当する。また,No.20でも,寮の先輩と話せないことやつまらないことなどA&T(1973)の(2)(3),松島(2004)の(6)(8)に該当すると考えられる。No.22では,「しゃかいでいるいるな不公平なことがありますから子どもが慢させたいです」では,今の社会が不公平であると考えていることが窺える。A&T(1973)の(2)に該当する。自分自身や自分の周りで,実際に不公平なことを見ていた,あるいは,体験していたため,このような記述をしたと推察される。学生ENo.5「私の町」私の町は◎◎◎です。大きい町ですけドちょっと好じゃないです。私の町はすまらいし音楽もあまりないしそれにここにすんでいたくないです。あまり店がありません。あまりおもしろい場所がないですけど私の家からちかい湖があります。この湖はきれいだしそれでこつまここへ行きます。No.8「冬休み」ことしの冬休みのはおおさかに行こうと思っています。(中略) □□の大学にいきました。友だちができました。もういちど会いたいです。いっしょにカラオケに行って飲み会して,そして楽しいことをしようと思っています。友だちはなすかしい,それでもう一ど会いたいですよ。No.20「日本に来たばかりのとき」今年日本に来る前,日本語が上手になるはずだったのにまだあまり話せないです。みなは英語で話せますから私の日本語を聞く時,日本語を使わないです。それであまりれんしゅうができません。他のことは日本で旅行するはずでしたが旅行のねだんは高すぎますから,どこも行けなくなってしまいます。それでこれのせいで,いつも家にいてしまいます。来年いっしょけんめい勉強するつもりで旅行ができるために,お金をためるつもりです。No.22「子供にさせたいこと」子どもにたぶん何でもないをさせます。なぜなら自分のことは自分で決めさせたい。がっきや国語やアートを習わせたい,うちの仕事を手伝わせたいですけど重い任務のは子どもに自信を持たせたいです。もう子どもに責任を持ったり我慢したりさせたいです。この物をすればいい子どもになると思。そして子どもは私をしんぱいさせません。(3),松島(2004)の(8)に当たる。No.8は,冬休みの予定を述べているが,その動機は「友達」に会いたいからであり,その気持ちをつづっている。これはA&T(1973)の(3)にあてはまる。No.20は「できるはずだと思っていたのに,できなかったこと」を書いている。しかし,これをきっかけとして,「来年いっしょけんめい勉強するつもりで旅行ができるために,お金をためるつもりです」と新たな目標を立てている。これはA&T(1973)の(2)(3),松島(2004)の(6)(8)に当てはまる。No.22は「何でもないをさせます」「我37
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