1年9か月2年2年4か月8年10か月1年7か月123456789男男男女女男男女女女1年5か月3年2年6か月2年6か月●2性別日本語学習歴参加プログラム(不明)学部学生(2)学部学生(3)学部学生(1)学部学生(2)学部学生(2)学部交換留学日本語専修日本語専修学部交換留学日本語専修うになっている。言語教室は,外国語を学習する場であるのと同時に,それぞれの学習者が教室の関係性に自身を位置づけ,また,クラスメイトによって位置づけられる場(Morita, 2004)であるともされる。そうであるならば,この授業に参加した留学生たちはどのように授業を位置づけ,お互いを位置づけているのか。また,そこにどのような関係性が生まれどのような問題があるのか。以上の問題意識から,授業に参加した留学生を対象に留学生活における授業の位置づけを描く「日本語環境マップ」の作成とインタビューからなる調査を実施した。本稿では,この調査結果をもとに,練習という疑似性がもたらす教室の関係性について考察したい。日本語授業は,中級学習者を対象に教科書を用いて週に5コマ15週のスケジュールで実施されたクラスである。授業は,筆者ともう一人の教員とのチームティーチングで実施され,本文を読むための語彙や文法の学習,読解,作文,ディスカッションや口頭発表などを総合的に扱いながら進める構成になっている。私は5コマのうち3コマを担当した。教材,テスト類は教育機関によって予め準備されており,各教員はスケジュールに沿って,教科書の学習項目を進めることが定められている。最終成績は,出席や語彙,文法,読解の小テスト,提出物などの得点を総合して出された。授業に参加した留学生11名のうち,学期修了一か月前に調査協力者を募り,10名から承諾を得た。日本語授業に参加した学生たちの教育プログラムは,大きくわけて三つある。学部学生は,大学の学部に所属する学生であり,必修授業として日本語授業を履修している学生である。交換留学生は,出身大学に本籍を置きながら,一年のスケジュールで学部の授業と日本語授業を履修する学生,日本語専修は,日本語授業のみを履修する一年のプログラムに参加している学生である。調査協力者10名の属性を表1に示す。早稲田日本語教育実践研究 第1号/2013/1-15仮名国籍中国韓国アイスランド韓国韓国アメリカ/韓国オーストラリアアメリカロシア表1 調査協力者属性リーキムピーターチェユンマイケルジムジェニファーマレーシアサビナ10エレーヌ2.日本語授業の概要と調査協力者
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