●41ドイツイタリアシンガポールドイツロシアベネゼーラ表2 出身国・地域別学習者数中国香港台湾韓国アメリカフランス初級2134111151431115452211111中国香港台湾韓国アメリカフランススウェーデン初中級中国台湾韓国タイアメリカイギリス中上級大久保雅子,他/アクセント習得を促すシャドーイング実践論 文4.シャドーイング実践4-1.実施クラスおよび実施期間実施クラスは,早稲田大学日本語教育研究センターの練習型(技能)クラス「発音」9)である。レベル差のあるそれぞれの「発音」クラスの授業の開始時,10〜15分程度を割り当てて,シャドーイング練習を実施する。シャドーイング練習を行う際に用いた素材は,「発音」クラスで用いる教材とは別のシャドーイング練習用に開発された素材である。なお,本研究の目的は一般的な日本語授業で実践可能なシャドーイングの方法を明らかにすることであるが,調査は調査者が担当した発音クラスで実施した。その理由は,教室で録音調査が出来ること,シャドーイング実施前にはアクセント指導を行わないこと,そしてシャドーイング実施期間中にアクセント知識の導入を行うこと等の条件を統一する必要があったためである。どのクラスでも同じ条件で,シャドーイング実践を行うため,実践時期を11月第2週,3週,4週,12月第1週,第2週の5週間とした。本研究では,クラスレベルから,「発音2」クラスを初級,「発音3,4」クラスを初中級,「発音5」クラスを中上級と分類する。実施クラスの内訳は,初級14名,初中級16名,中上級23名の合計53名である(表2)。4-2.シャドーイング実践本研究では,一般的な日本語授業で実践可能な方法を提案するため,10分程度での実践が可能な以下の方法で毎週の授業においてシャドーイング実践を行った。授業の冒頭,10〜15分程度を用いて,シャドーイング用に開発した二つの素材10)を使用し,5回にわたって実施した。なお,初回は,プロソディー・シャドーイングの仕方を学習者に示した。実践方法は,以下のとおりである(表3)。シャドーイング実践期間中に,一般的な日本語アクセントに関する知識11)の導入を行った。ただし,素材中の語のアクセントは指導せず,素材スクリプトにもアクセントは示さなかった。
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