クラスメイトについて●8定 義同じ学習者であるという気持ちの共有クラスメイトは「外国人」であるクラスメイトとの関係性により日本語学習が促進される授業のやり方や話題が関係性に影響するメンバーの顔ぶれが関係性に影響する授業の雰囲気が関係性に影響する何語で話すかが関係性に影響するクラスに友達は要らないクラスに友達は要る友達が欲しいができないた。また,エレーヌは,自身にとって大切なクラスであるという会話クラスと比較しながら,このクラスのように10人前後のクラスでお互いのことを知りながら文法の勉強ができるのであれば,クラスメイトの作った例文などから文法学習を進めることができるといった。クラスメイトについて「学習効果の創出」がカテゴリーとして浮上した段階で,クラスメイトの関係性の要因であると判断できるカテゴリーを統合,再分割して作成したカテゴリーが,「授業形態」,「メンバー」,「授業の雰囲気」,「言語使用形態」である。留学生たちは,授業の形態,顔ぶれや雰囲気,休み時間や教室の外で何語を使って話すかによって,クラスメイトとの関係性が変わるとしていた。例えば,ユンは,今のクラスのクラスメイトとは教室外で英語を使うことが多いが,前のクラスではみんな頑張って日本語で話していたのでその方がよかったといった。また,サビナは,授業の雰囲気がよければ,お互いの性格がわかりクラスメイトと自然に親しくなるといった。これら,クラスメイトとの関係に影響するものを『関係性の要因』のグループにまとめ,前出の「学習効果の創出」を『関係性の効果』とした。「学習者という連帯感」は,クラスメイトは自分と同じ日本語学習者であり,共感することができるという内容のコードをまとめたものである。ジェニファーは,日本語の授業に集まるクラスメイトはみな日本と日本語が好きで日本に来ており,お互いの気持ちがわかりやすいと述べた。また,チェは,日本人の友達と話すときには緊張してしまうが,この授業で外国人の友達と話すときには,同じ外国人であるため気持ちをオープンにでき,たくさん話せて楽しいといった。日本で生活している留学生たちにとって,日本語の授業に集まるクラスメイトは,自分と同じ日本語学習者であるという連帯感が持てる相手としての意味を持つものでもある。しかしその一方で,クラスメイトには,異なるものとしての否定的評価も与えられてもいた。クラスメイトが日本人ではないことについて,否定的に言及されているものを「外国人」とした。例えば,日本で働くつもりであるというリーは,外国人であるクラスメイトは,近い将来国に帰ってしまうため,知り合いになっても日本社会では使えないネットワークだと述べた。また,キムは,クラスメイトは外国人であり,クラスでディスカッションなどをしても「真似しちゃだめな日本語」早稲田日本語教育実践研究 第1号/2013/1-15カテゴリー学習者という連帯感「外国人」学習効果の創出授業形態メンバー授業の雰囲気言語使用形態不必要必要迷い表5 クラスメイトについての発言から生成されたカテゴリー生活での位置づけクラスで話す「知り合い」クラスメイトはクラスで話す「知り合い」であるクラスメイトについての評価関係性の効果関係性の要因関係性についての認識
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