●46×4グループ)早稲田日本語教育実践研究 刊行記念号/2012/39-54表2 事例検討会の流れ日時:7月26日(火)14:45〜16:15 場所:15号館02教室時間出席確認 5分挨拶:本日の流れ説明,この会の趣旨説明<事例検討会>パート1:運営に関する事例教職員スタッフから対応について説明をするパート2:支援内容に関する事例・パート2 進め方の説明・ 事例のタイプ別にグループに分かれ,各事例にどのように対応をすればよいかを検討(3〜4名10分 5分40分15分・グループ発表:それぞれのグループから出てきた話をキーワードとともに全体に報告10分まとめ・アンケート記入進行内容の趣旨説明を行った後,パート1として教職員スタッフより運営に関する共有事項を事例を挙げて説明した。その後,パート2では,事前に決定されたグループでの話し合いが行われた。1つのグループの構成は3〜5名の支援スタッフと,運営に当たった教員が1名,教職員スタッフが1,2名であった。最初に支援スタッフ全員が自身の事例について説明し,その対応に関するディスカッションをグループ全員で行った。各グループでは教職員スタッフが話し合いの記録を行い,支援スタッフが自身の事例についての考えを話しやすいよう傾聴し,必要に応じてグループ内での会話を促進するよう心がけた。グループ内での共有の後,話し合った内容のキーワードを用紙に書き出し,その後,それぞれのグループから報告を行い,全体で共有した。事例検討会の最後には事前に用意した支援スタッフへのアンケートを実施した。表2は,事例検討会の当日の流れをまとめたものである。3.3 事例検討会で検討された内容事例検討会において4つのグループではどのような話し合いが行われたのかを次に述べる。まず,グループ1では支援スタッフの中で自律学習の捉え方に差異があり,それによって相談者をどのように支援するかという基準が個々で違っていた。支援システムの理念とは,相談者には答えを教えずに考え方を教えることだと受け止めている支援スタッフもいれば,答えを教えた上で調べ方や学習方法も併せて教えるのが良いとする支援スタッフもいた。話し合いを進めていく中で,各相談者に適切な学習ストラテジーを教えることの重要性へと論点は移っていき,辞書の使い方や検索サイトの活用方法を教えるといった実用的な方略から,日本語学習者の視点でアドバイスを与えるといった意識レベルのものまで様々な具体案が出された。また,支援スタッフ同士が問題解決に向けて積極的に意見交換ができるようになるには人間関係の構築が不可欠であり,そのために支援スタッフの配置が固定されていることが望ましいという提案も出された。次に,グループ2ではチュートリアルの問題点とその解決案を中心に話し合いが進められた。このグループの支援スタッフは,自身が相談者にうまく対応できていないと一様に感じており,その理由は自律学習を支援するという支援システムの目的と相談者のニーズにずれがあるからではない
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