早稲田日本語教育実践研究 刊行記念号
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●261.日本語チュートリアルの実施形態早稲田日本語教育実践研究 刊行記念号/2012/25-37資料1. 「留学生支援システム」および「日本語チュートリアル」の理念と支援スタッフの役割(支援スタッフガイダンスに関連する資料を含む)資料2.留学生支援システムWGの各打ち合わせ報告書資料3.留学生支援システムにおけるメーリング・リストの記録資料4.日本語チュートリアルの記録(2011年5月〜8月)および報告書集計(春学期)資料5.その他,留学生支援システムに関連する各媒体1.1 期間本留学生支援システムでは,留学生支援システムの具体的な支援の一環として,早稲田大学に在籍する(あるいは入学が決まって在籍予定の)留学生の日本語学習を通常のカリキュラム内の授業とは別にそれ以外で支援・サポートする「日本語チュートリアル」を企画,設置した。日本語チュートリアルの本格的な設置期間は,2011年5月から2011年8月(2011年度日本語センター春学期期間)であった。通常春学期は4月開始であるが,このように5月開始になっている背景には,2011年3月11日に起きた未曾有の大地震(東北地方太平洋沖地震)の影響があった。地震の影響により春学期の開始が遅れたことで日本語チュートリアルの開始もともに遅れた経緯があった。なお,4月には,地震の影響により来日の困難な学習者のために日本語学習のためのメール対応中心のサポートを準備したり,簡便な体制の中で学期前のチュートリアルが行われたりした。また,5月10日と17日の両日には文字の学習に特化した「仮名チュートリアル」が実施されたことを付記しておく。1.2 場所と日時本留学生支援システムは,早稲田大学における留学生の留学生活や学習環境の十全な環境整備を謳う研究計画により実現し始めたものであるが,通常日本語センターで設置されているカリキュラム上の日本語科目における教室での学習だけでは大規模な学習者たちのニーズ,履修計画,真に必要な日本語学習の受け皿として機能していない現状があった。そこで,授業科目以外で学習者のサポート2)を請け負うための支援システムを構築する必要があったわけであるが,日本語チュートリアルはまさにその体現化された空間であったと言える。学習者が集まって日本語学習のサポートを受ける以上,そのサポート空間が現実的に必要となるが,留学生支援システム専用の研究室や教室は,初めから設置できるといった厚遇は大学から期待できるものでもない。大学運営の側面から考えても至極当然のことであろう。そこで,日本語チュートリアルは,通常使用している教室の空き時間を利用して,実施されることとなった。実施した曜日と時限は,月曜日3時限目,火曜日5時限目,金曜日5時限目の週3日間であった。各曜日の開催場所は,月曜日616教室,火曜日507教室,金曜日512教室であった。この開催の曜日については,後から述べる支援スタッフとなる早稲田大学日本語教育研究科所属の大学院生の都合を勘案したところが大きい。合わせて,来訪する留学生の日本語科目がそれほど入っていないと思われる5時限目を用意したという事情もあった。(月曜日は空き教室がないことから3時限目に実施となった。)

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