早稲田日本語教育実践研究 刊行記念号
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●1994.おわりに小林ミナ/「実践研究」をスキルトレーニングで終わらせない工夫エッセイ&インタビュー/日々こもごも日本語教育の専門家に求められているのは,単に,自分が担当する1コマの授業を首尾良く運ぶためのミクロの知識や技術だけではない。ひとつひとつの教室を支える言語観,教育観を読みとり,それが具体的な実践とどのようにつながっているのかを理解する。そのようなマクロの視点も同時にもつ必要がある。そういった専門家の養成とは,実践の現場から隔離された環境の中で,日本語に関する知識やその説明のしかた,教室活動の実施方法といった技術を教えこむことによってではなく,熟練した日本語教師のコミュニティに身を置き,自ら育っていくような環境を整えることによって実現するものではないだろうか。そのためには,センターと日研が教員養成まで包み込んだ日本語教育システムとして十全に機能するべく,学内の連携をはかっていくことが必須だと考える。

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