早稲田日本語教育実践研究 刊行記念号
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●154・ 教師は提出俳句の文法のミスや意味不明の箇所を指摘しメールでやり取りをする。・ 選句した句を発表後参加者全員で合評する。何故この句を選んだのか,どこに共鳴したのか等,浜畑 祐子初めに目的内容早稲田日本語教育実践研究 刊行記念号/2012/154-155近年音声学等の方面から俳句を日本語教育の教材にという声を耳にするが,俳句や短歌を柱に据えた授業はあまり聞かない。そこでテーマ科目の制度が設置されたとき,さらに一歩進めて句作という創造力に訴えるクラスをやって見ようかと考えた。句を作ることで日本語に能動的にかかわり,日本語のリズムを習得できるのではとの思いであった。当初は6–8のレベルで行ったが学生数が多かったのとレベルにかなりの差があったことから,2010年度よりクラスを「俳句を作る短歌を詠む7–8」と「詩歌を作る・詠む5–6」の2つに分けた。・創作の楽しさを知る・俳句・短歌を作ることで日本語のリズムを知る・俳句・短歌を鑑賞・批評するための語彙・表現を学習する。・季語を通して日本の四季を知る。季節の言葉を学ぶ。①句会・隔週で句会を行う・学生は句会の2日前までに俳句か短歌を2~3句(首)メールで提出 ここで指摘するのは文法等のミスのみであり,技術的なことは句会で述べる。・句会用のプリントを作成,作者の名を伏せ教師の句も含めて俳句を印刷する。・ 句会では,まず学生が一句ずつ音読しその後教師が音読,音読することでリズムのいい句,そうでない句,切れのある句,ない句が分かるようになる。言葉や季語の説明をした後選句する。選句とは好きな俳句を選ぶことで各自2~3句を選出。自由に感想や感動を述べる。教師も鑑賞者となり感想を述べる。・作者が名乗りを上げ,コメントする。・全体の振り返りをする。「俳句を作る短歌を詠む7-8」を教えて

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