早稲田日本語教育実践研究 刊行記念号
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●1433章 「日本語かきこ」の実践3-1 担当者間の情報交換の経緯「日本語かきこ」開始の1週間前,坂田から実施に関するメールが「総合日本語(標準)1」の担当者のメーリングリスト(以下,ML)へ送信された。メールには,実施の目的,概要,成績,学生の書き込み方法などに関する詳細が記されており,これを機に,FB担当者は活動にあたっての準備を開始することになった。活動開始となる週に,FB担当者は坂田が作成した「日本語かきこ」の概要を学生に配付し,説明を行った。教室のPCで実際の書き込み画面を見せながら説明した担当者もいた。この配付資料は活動の流れや書き込みの仕方,締切日や評価について,学生が理解しやすいように英語で記されたものである。加えて活動開始から1週間後,クラスに参加しているボランティア10)もCourse N@viに書き込みができるという追加情報がMLにて配信された。 「総合日本語(標準)1」では,全てのクラスが同じ時限に,同じ進度で授業を行っている。そのためFBに関してなど,授業前後に担当者間で個々に情報を共有する機会はあったが,9クラス全体で共有を図る機会はなかった。2回目のFBが終了した頃,コーディネーターはFB担当者から活動に手応えがあるという報告を受けるようになった。このことから,担当者全体での情報共有の場を持つことが有意義であると考え,「日本語かきこランチ会」(以下,ランチ会)を企画した。昼食をとりながらの話し合いを提案し,全クラス担当者へ呼びかけた。その結果,ランチ会では,金曜日以外のクラス担当者も含めた10名が集まり,各クラスでのFBの仕方,学生の書き込みの状況,今後の提案などが話題にあがった。その後,FB担当者より,「日本語かきこ」の実践をこのままクラス内で留めておくのはもったいないという意見があがるようになり,「日本語かきこ勉強会」(以下,勉強会)が立ち上がった。初回の勉強会では,11名のクラス担当者が自主的に参加した。学期中は週に1回行われ,各クラスの状況報告や,学生を対象としたアンケート実施に向けての内容検討,アンケート実施とその集計,振り返りなどを行った。以上,担当者間の情報交換の経緯をまとめたものが図3である。川名恭子,他/初級日本語クラスにおける教師間シナジー6/17FB26/24FB37/1FB47/2勉強会立ち上げ6/15追加情報配信6/24ランチ会図3 担当者間の情報交換の流れ特集 教室中心主義からの解放/寄稿論文7/8FB57/15FB67/22FB77/15勉強会17/22勉強会27/29勉強会37/29まとめアンケート8/5勉強会46/3開始6/10FB15/27連絡配信

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