●1251.この授業では,映画を日本語教育の教材として使うことを考えます。2.映画『男はつらいよ』の中で使われている日本語を取り出して分析します。3.映画『男はつらいよ』の中の日本的なもの(文化・慣習)を分析します。4.映画に関して議論したり,教材価値発表会を行います。5.毎回の授業で検討したことや新たに考えてもらいたいことを授業カルテという報告書に書いてもらって毎週提出します。中山英治/日本語教育における映画の一般的な教材価値と社会参画を支援できる教材価値表3 本授業科目の簡易版シラバス(開講年度2010年度〜2011年度)科目名学期・曜日・時限2010年度春・秋:金曜日1限 / 2011年度春・秋:木曜日1限授業概要授業の到達目標授業づくりのアイデアを創出できたり,教材化の能力を身につけたりできます。[第1回]本講座の趣旨と概要説明[第2回]映画『男はつらいよ』とはどんな映画なのか1(人物とストーリー)[第3回]映画『男はつらいよ』とはどんな映画なのか2(旅と恋愛と家族)[第4回]シリーズの中で使いにくい作品と使いやすい作品と使いたい作品[第5回]車寅次郎(主人公)の話す・書く日本語分析(仕事・挨拶・葉書の言葉)[第6回]映画『男はつらいよ』は,どんな日本語教育の教材と組み合わせられるか[第7回]映画『男はつらいよ』の中の語彙・文法を調べて,指導法を考えてみる[第8回] 映画『男はつらいよ』の中の日本文化や日本的なものを探してみる[第9回] 映画『男はつらいよ』を通して外国人の日本社会への社会参画を支援する①[第10回] 映画『男はつらいよ』を通して外国人の日本社会への社会参画を支援する②[第11回]好きな場面を取り上げて,自分の考えた教材価値を発表する①[第12回]好きな場面を取り上げて,自分の考えた教材価値を発表する②[第13回]これまでの教材価値発表会のまとめと教材価値シートの分析報告[第14回]レポート提出:映画『男はつらいよ』は日本語教育の教材になるか?[第15回]レポートのフィード・バック,本講座の振り返りなど授業計画教科書講座担当者が作成したプリント教材が中心岡崎敏雄著『日本語教育の教材 分析・使用・作成』(アルクオンデマンドBOOKS)『男はつらいよ パーフェクト・ガイド 寅次郎全部見せます』(教養文化シリーズNHK出版)吉村英夫著『完全版「男はつらいよ」』の世界(集英社文庫)※その他,授業で適宜紹介する参考文献評価レポート30% / 平常点(授業カルテなど)30% / その他(出席)40%備考参加者全員で作る授業,日本語に自信がない人も受講可能など特集 教室中心主義からの解放/寄稿論文※授業計画は,年度によって多少の異なりがある。日本語教育教材考(映画『男はつらいよ』の日本語と日本文化)とを自学すること」である。そうすることで映画の理解を求めるのではなく,日本語学習への態度を育成したり,外国語(本授業科目では日本語)の映画を見る契機を与えたりすることを盛り込んでいるのである。このことは担当者が考慮している「裏のシラバス」であるとも言える。これに対して,「表のシラバス」は,講義概要にも記されている教材価値論の学習である。本授業科目の第一義的な学習目標は,あくまでも映画作品の教材価値を見つけることであるから,今述べてきた各授業コンセプトを持ちながら,表面上は映画の中の教材価値を見出すタスクを行なっていくことになる。3.3 授業シラバス上に述べた授業コンセプトを背景にして本授業科目では,次のようなシラバスが定められている。日本語センターの講義概要(シラバス)を参考に表にまとめておく。
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