早稲田日本語教育実践研究 刊行記念号
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●116Cさん: 映画あるいは劇が好き他の理由は:映画を通って,自分の意見や考え方など活発で,Oさん: なぜ演劇が柔道的で,アクターたちはもちろん照明や音響,裏で手伝ってくれる人たPさん: 最初ばらばらだったみんなは一つの演劇団になり来ていた感じがしました。このグ早稲田日本語教育実践研究 刊行記念号/2012/107-118美しく伝えられます。Lさん: 「演劇って,一体どんなことなのか?」もし,誰か私にその質問を聞いて,私は,絶対「演劇はみんなと一緒にいい思い出を作って,そして,いろいろな思わずとこを習えるとこだ。」と答える。Mさん: 演劇は一人でするものではなく,みんなで作って行くものです。演劇には不思議な力があるようで,一緒に演劇をした人達との間に格別な友情が芽生えさせるのです。それぞれ個性を持つ人達が集まって一所を目指して頑張り,励まし合い,最後にはみんなが満足するような作品を作り上げました。一人一人の存在がとても大切に思えてみんなに拍手を送りたいです。Nさん: 人と人の触れ合いやチームワークについて,教科書に載ってない,最も貴重な知識を得られました。アートって,魔法のように国境を越えて,人間の心を繋ぐ手段だと思います。……(中略)……(さまざまな国:著者補足)からの人と一緒にオリジナルの演劇を作成したことが,私にとって,この四ヶ月の間に,一番幸せなことだったと思います。つまり,最後に達成感を得られたことが,自分だけではなく,皆さんの努力の賜物だと思います。ちを含むみんなの交感が重要なのかがわかりました。自分の役だけすればいいというのではなく,みんなが一つになった感じで,演じるところでもいろんなサインをやり取りしながら進めなかったら,きっと間違ったときなにもできずにあわてて演劇が続けられなかったかもしれません。演劇は,集団の芸術である。キャストだけではなく,様々な役割があり,互いの責任を果たし,支え合わなければ成立しない。上演会は,人が互いに支え合っていることを実感できるいい機会なのではないかと考える。「講堂で,一般に公開している上演会本番」というある意味なあなあではすまないような状況においては,舞台の成功に向かって,一体感を感じ,また,お互いが心の支えとなる。以下の学習者は,そうしたことを実感する機会があった。ループの一体感は本番直前のちょっとしたトラブルがあっても,本番中のいろいろなミスが起こっていても,強くなりました。本番中のミスのとき,みんなに手伝ってもらったときはすごくうれしくて,感謝です。3.1.3 日本語力本実践は,中級後半から超級のマルチレベルクラスであったが,下位レベルの学習者には,「激

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