早稲田日本語教育実践研究 刊行記念号
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●1104−5人で1つのチームを組む。「駅」「レストラン」など,ひとつの題材が提示され,それを相談なしに,まず一人がその題材から想起された誰か,もしくは何かを身体(静止ポーズ)で表現する。次の人は,その一番目のポーズに足すようなポーズを取る。最終的に,ひとつのシーンの写真を作り上げる。早稲田日本語教育実践研究 刊行記念号/2012/107-118手 順円になり,一人が自分の呼ばれたい名前を言いながら,静止ポーズを取る。そのあとすぐ,全員でそれをまね,その人の名前を呼びながら同じポーズを取る。円になり,自分の名前を言ってから,誰か他の人を名前を呼んで指名する。指名されたら,自分の名前を言ってから,他の人の名前を呼んで指名する。円になり,はじめはしりとりを行う。その後,隣の言った言葉から連想される言葉を続ける,という連想ゲームに発展する。円になり,一人の人が何か言葉を発すると,その左隣の人がその言葉から想起される静止ポーズを取る。そして,静止ポーズを取った人が,左隣の人へ言葉を発し,左隣の人がポーズを取る。静止ポーズは,次に自分の番が再度回って来るまでそのままにしておく。「ワンワード」は,グループで順番に一人一文節ずつ即興で提示し,次の人がそれを受けて続きの一文節を発する。それを続けてひとつのストーリーを作る。その後,「シェアードストーリー」として,一人一文ずつ順番に提示してつなげ,ひとつのストーリーを作る。表2 授業時に行ったシアターゲームの例ゲーム名ネーム&アクションネーム・バレーボールしりとり〜連想ゲーム人間彫刻ポートレートワンワード〜シェアードストーリー目 的アイスブレイキング,名前を覚えるアイスブレイキング,名前を覚える互いの言葉が持つ語感やイメージの違いを楽しむひとつの言葉から想起されるイメージを身体で表現し,それを互いに見ることによって,表現の可能性を楽しむ場面を立体化することのイメージを持つ話を展開させることのウォームアップで親しくなっています」(Aさん)「みんなを仲良くさせるため,あるいは,体の動作で自分の気持ちをちゃんと相手に伝えさせるためには,とても役に立ちます」(Bさん)など好意的にとらえていた。2.3.3 テーマ設定〜ストーリーライン〜台本執筆のプロセス作品作りを行うにあたり,作品の根幹となるテーマ,メッセージの設定を行う。これは,作品を作る上で,展開や内容に迷いやぶれが生じた時に,「立ち戻るところ」を作るためである。当初は,まず「観客に何を伝えたいのか」というメッセージを考えることから始めた。本実践では,観客を学内の留学生や日本語教員だけではなく,学内の教職員・学生,さらには学外者までと想定する。当初は,「観客に伝えたいこと・表現したいこと」という切り口で考えて行っていた。しかし,テーマを設定する際に,「友情」「恋愛」など,焦点がしぼりきれない場合があり,このプロセスはしばしば膠着した。そこで,新たなとっかかりとして「モノ」「場所」「ヒト」という設定をランダムに考え,登場する人・モノ・場所という設定を先に作った上で,テーマを絞り込むというプロセスをたどるというオプションも用意し,クラスのメンバー,状況に応じて適宜,活用した。テーマが設定されると,次は,具体的なストーリー作りに進む。メンバーによっては,あらかじめストーリー展開が明確で,一人が提案し,それに賛同して進むというケースもあったが,そうし

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